依存症問題の正しい報道を求めるネットワークは、2016年7月、依存症関連の市民団体、当事者団体、家族、治療者、研究者らの有志によって結成されました。
ひとくちに依存症といっても、アルコール、薬物、ギャンブルなど、取り組む問題はメンバーによってさまざまで、ふだんは別々に活動しています。
ただ、テレビ、新聞、雑誌などのマスメディアで、私たちが見過ごせないと感じる問題報道がなされたとき、協議し、改善を求めていくことが、このネットワークの主な活動です。
依存症は、とても理解されにくい問題です。
本来、マスメディアは、社会問題の正しい理解を世に広め、問題の改善に寄与することを報道の目的としているはずですが、依存症問題においては誤解や偏見、中傷をまきちらすことが決して珍しくはありません。
それは医学的に誤りであるだけでなく、患者や家族を追い詰め、治療意欲を奪ってしまったりします。危険ドラッグ、著名人の薬物スキャンダル、ギャンブル依存症と生活保護制度など、何か注目される問題があるたびに、必ずといっていいほど、問題のある報道が発生します。
今までの私たちは、マスメディアの無理解や暴力性について、たびたび怒ったり、嘆いたりしながらも、何がどう問題なのかを指摘して改善を求めていくことに消極的でした。でも、それでは同じ過ちが繰り返されてしまう。そんな反省から、このネットワークを立ち上げました。
報道の責任を問うことが目的ではありません。
マスメディアが「情報の架け橋」として機能し、世の中の依存症問題が改善されていくことを目指して、私たちの実感をもとに声を上げていきたいと思います。
ご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。