私たちは、薬物、ギャンブル、アルコールなどの依存症問題に取り組む市民団体、専門家、当事者・家族などの有志の集まりです。
このたび、TBSテレビ「白熱ライブ ビビッド」宛に、別紙のとおり抗議文を送りましたのでお知らせします。
高知東生容疑者が逮捕された事件につきまして、テレビ各局はワイドショーを中心にかなりの時間を割いて伝えておりますが、その内容は薬物依存症の病理や治療方法、周囲のサポートなどについて、ほとんど触れられることなく、容疑者の人格攻撃のみが際立つ偏った内容でした。中でも、6月28、29両日の「白熱ライブ ビビッド」でのテリー伊藤氏の「ありがとうなんて、言葉が軽すぎる。更生できるとは思えない」などの発言は、多くの薬物依存症の治療者、当事者、家族らが一様に怒り、あきれました。
逮捕時の「ありがとう」には、それまでの依存症者の苦悩の深さが込められており、回復につながる重要なキーワードだからです。
病理を理解しようとせず「ダメ人間だ」という偏見を撒き散らすだけのコメントに、この番組の放送倫理を疑わざるをえません。
こうしたことを繰り返さないために、知識のないコメンテーターやタレントに、根拠のない発言を許さないこと、有識者の見解を参考にした番組づくりをしていただくことを求め、抗議文を送ることにしました。
報道各位におかれましても、さまざまな依存症の問題に対し、正しい理解と人権への配慮を十分に考えた報道をしていただくことをお願い申し上げます。