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報道の責任を問うことが目的ではありません。

マスメディアが「情報の架け橋」として機能し、世の中の依存症問題が改善されていくことを目指して、私たちの実感をもとに声を上げていきたいと思います。 ご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。

最新情報

<薬物報道ガイドライン>

【望ましいこと】

  • 薬物依存症の当事者、治療中の患者、支援者およびその家族や子供などが、報道から強い影響を受けることを意識すること
  • 依存症については、逮捕される犯罪という印象だけでなく、医療機関や相談機関を利用することで回復可能な病気であるという事実を伝えること
  • 相談窓口を紹介し、警察や病院以外の「出口」が複数あることを伝えること
  • 友人・知人・家族がまず専門機関に相談することが重要であることを強調すること
  • 「犯罪からの更生」という文脈だけでなく、「病気からの回復」という文脈で取り扱うこと
  • 薬物依存症に詳しい専門家の意見を取り上げること
  • 依存症の危険性、および回復という道を伝えるため、回復した当事者の発言を紹介すること
  • 依存症の背景には、貧困や虐待など、社会的な問題が根深く関わっていることを伝えること

【避けるべきこと】

  • 「白い粉」や「注射器」といったイメージカットを用いないこと
  • 薬物への興味を煽る結果になるような報道を行わないこと
  • 「人間やめますか」のように、依存症患者の人格を否定するような表現は用いないこと
  • 薬物依存症であることが発覚したからと言って、その者の雇用を奪うような行為をメディアが率先して行わないこと
  • 逮捕された著名人が薬物依存に陥った理由を憶測し、転落や堕落の結果薬物を使用したという取り上げ方をしないこと
  • 「がっかりした」「反省してほしい」といった街録・関係者談話などを使わないこと
  • ヘリを飛ばして車を追う、家族を追いまわす、回復途上にある当事者を隠し撮りするなどの過剰報道を行わないこと
  • 「薬物使用疑惑」をスクープとして取り扱わないこと
  • 家族の支えで回復するかのような、美談に仕立て上げないこと

当団体の理念と目的

依存症問題の正しい報道を求めるネットワークは、2016年7月、依存症関連の市民団体、当事者団体、家族、治療者、研究者らの有志によって結成されました。
ひとくちに依存症といっても、アルコール、薬物、ギャンブルなど、取り組む問題はメンバーによってさまざまで、ふだんは別々に活動しています。
ただ、テレビ、新聞、雑誌などのマスメディアで、私たちが見過ごせないと感じる問題報道がなされたとき、協議し、改善を求めていくことが、このネットワークの主な活動です。
依存症は、とても理解されにくい問題です。
本来、マスメディアは、社会問題の正しい理解を世に広め、問題の改善に寄与することを報道の目的としているはずですが、依存症問題においては誤解や偏見、中傷をまきちらすことが決して珍しくはありません。
それは医学的に誤りであるだけでなく、患者や家族を追い詰め、治療意欲を奪ってしまったりします。危険ドラッグ、著名人の薬物スキャンダル、ギャンブル依存症と生活保護制度など、何か注目される問題があるたびに、必ずといっていいほど、問題のある報道が発生します。
今までの私たちは、マスメディアの無理解や暴力性について、たびたび怒ったり、嘆いたりしながらも、何がどう問題なのかを指摘して改善を求めていくことに消極的でした。でも、それでは同じ過ちが繰り返されてしまう。そんな反省から、このネットワークを立ち上げました。
報道の責任を問うことが目的ではありません。
マスメディアが「情報の架け橋」として機能し、世の中の依存症問題が改善されていくことを目指して、私たちの実感をもとに声を上げていきたいと思います。
ご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。

取材・お問合せは

03-3555-1725 まで

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